将軍塚大日堂は京都市東山区粟田口東の
華頂山山頂ににあり、
天台宗青蓮院門跡の飛び地境内となっています。
京都東山から三条・山科を経由して滋賀県大津市へ抜ける国道1号線の五条途中から入ってゆくか、
南禅寺や
琵琶湖疏水インクラインをさらに上がった蹴上から入って、東山ドライブウエイを上がってゆくと、
ドライブウエイの頂上付近にさらに上に向かう道路があります。そこへ入ってゆくと、
峠の頂上に東山の無料駐車場と展望台があります。手前の無料駐車場に車を止めて、そこからさらに北へと100mくらい歩くと、
青蓮院門跡・福徳門と書かれた将軍塚の入り口の門が見えてきます。
青蓮院門跡の飛び地となっていますが、場所的には裏山といった位置関係にある将軍塚大日堂へと到着します。
将軍塚の名前の由来は桓武天皇のいた奈良時代末期の平城京から平安時代の平安京に 遷都する際に、
この場所から京都盆地を眺めてここを新しい都と定めることを決意し、794年に平安遷都を行いますが、
同じくして新しい都の安泰を願ってこの場所に将軍の土の像を彫って鎧兜を着せて塚に埋めるように命じたことから、
ここを将軍塚と呼ぶことになったそうです。大日堂の名前が付くのも、福徳門をくぐって進むと入り口があり、
大日堂という御堂を兼ねた拝観料を支払う入場口がありますが、ここには御本尊として
平安時代の作とされる石仏の胎蔵界大日如来を御祀りしてあることに由来します。
ここの場所は意外と知られていないのか、紅葉時期でも京都市内に比べると比較的空いている穴場的なスポットです。
しかしここの紅葉もなかなか見ごたえがあり、境内はかなりの広さを誇っています。
ただ市内と比べると交通が自家用車に限られるため不便なのと、
お寺の建物と紅葉といった感じのセットにはならず、紅葉だけでやや単調な感じになることも
観光客が少ない一因かもしれません。
しかしここはそれだけ逆にじっくり撮影するには非常に貴重な場所でもあります。
嬉しいことに市内と違って駐車場は東山ドライブウエイの休憩スペースを利用するので無料、拝観料も400円と良心的です。
現在の京都のライトアップされている寺院では軒並みほとんど三脚禁止になっている中、
私が知る限りでは
南禅寺三門付近や
嵐山と並んでほぼ唯一三脚を使って夜景や紅葉が撮影できる
素晴らしいスポットだということです。また混雑する
嵐山や南禅寺三門に比べるとはるかに人は少なく、
じっくりと心行くまで撮影を楽しめる場所でもあります。
この場所からはやや標高が低いために京都市内全体を横長に見下ろす感じにはなりますが、それでも
京都の夜景スポットとしては数少ない貴重なスポットに違いありません。
写真クラブや写真ツアーなどの団体ではなく、静かに一人で訪れてみてください。
せっかく三脚が使えるこういう貴重なスポットに大勢一斉に団体で三脚を持ったカメラマンが押し寄せると、
一般観光客に迷惑がかかるため、市内寺院と同じように三脚禁止になるかもしれません。
過去三脚OKだったお寺が、マナーの悪いカメラマンや団体のカメラマンに占拠されて苦情が出て以後、撮影禁止や
三脚禁止になった例も数多くあると聞いていますので。
(カメラマンの影響で曼殊院門跡や宝泉院は2008年から撮影禁止へ、三脚OKだった真如堂なども三脚禁止へ)
ここは今のところ撮影に対しては京都でも一、二を争う好意的なスポットですが、
苦情があればいつ態度が変わらないとも限りませんので
こういう貴重な場所がいつまでも撮影が出来るように大切にしていって欲しいと思います。
それについては前にも
少し触れましたが、自分なりの考えを書いてみたいと思います。