ひとつ大きな原因として考えられるのは、
写真を教わる時の教え方、教わり方が原因では?ということ。
団塊の世代が退職して、ではカメラでもやってみるか?ということで
こういった高齢者の集まる写真教室や写真クラブは結構盛況なようで、
私も一度地元の写真クラブにお邪魔して撮影に行ったことがあるのですが、
そこで見たのはちょっといいのかよ?という光景です。
やはり十数人の大所帯、しかもそれぞれが立派なカメラと三脚を持って
一斉にプロの先生が言うままに横一線で並んで前で構えている様子は、確かに周囲から見ていると
異様に見えるかもしれません。
そうした方が先生にとっては指導しやすいだろうし、また生徒の初心者の高齢者の方々も
先生の言うことだからと疑いもしない。
かくして横一線に並んでちょっとやそっとでは場所を移動しないカメラマンの
行列が完成するというわけ。しかもそれが一番いいスポットを占めたまま
三脚をデンと据えて動かないという状態になってしまう。
写真撮影の技術は教えるが、マナーは教えない。というか
そもそも先生もそんなことを言っている余裕もないのかもしれない。
先生だって生徒は大切なお客様、マナーをうるさく言ったり、
失礼があって次回から来てもらえなくなると、
とたんに自分の収入が下がってしまって食べていくにも困ってしまうという事情もあるので
強く出られないところもあるのかもしれません。
実際私が行ったツアーを主催されていた写真クラブのプロの先生は非常に気を使っておられた様子でした。
実際写真のプロとして食べていくには大変で、
このように退職した熟年世代を相手にツアーを組み、貸し切りバスで
観光地や撮影スポットに向かって撮影指導をして
生徒からお金を頂いて、というプロがかなり増えているようです。
まあこの状況では周囲に気を使って順番に撮りなさいと生徒に教えられる雰囲気でもなさそうです。
初心者のうちから撮影マナーを教わらず、撮影技術やコンテストへ向けての撮り方だけを教わった
初心者が後々どうなってゆくのかということです。