フォトコンテストを目指して真剣に写真に取り組んでおられるのは
素晴らしいことだと思いますし、それを否定するつもりは毛頭ないのですが、
ノーレタッチ・ノートリミングが正しい写真だと思われていらっしゃる方の中には、
自分はフォトコンを真剣に目指しているのであって、レタッチやトリミング等の
邪道を行っている奴の気がしれない、そんなふざけたカメラマンとは
一緒にするな、とか、デジタルは自分で調整できるから卑怯だといわれる方もいらっしゃいます。
でもフォトコンテストに出てくるような写真は、
一部のレタッチ・トリミング禁止の条件のあるフォトコンを除いては
ほぼすべてレタッチとトリミングが行われているということを御存知でしょうか?
自分の考えている何が言いたいのかという主題に対して
いかに写真をその目的に近づけてゆくかということが、
フォトコンテストの写真であり、そのために可能な限りの修正とトリミングを
極限まで行ってゆくというのが実際のところのようです。
およそノーレタッチ・ノートリミングとはかけ離れた世界といっても過言ではないと思います。
写真というよりはむしろ作品に仕上げるといった方がいいと思いますが、
カメラマンの腕前はもとより、現像技術、レタッチ技術、トリミング技術、
主題を表現するためにカラーにするのかモノクロで持ってゆくのか、青みを掛けるか赤みを掛けるか、
何を主題にどこまで余分な主題と関係ないものを画面からカットして行くのか、
それらの判断と写真屋さんはじめ周囲のスタッフの総合力こそが
フォトコンではものを言うようになってきます。
そんな中でカメラマンの仕事はいかに写真の主題を明確に捉えるのか、
それを写真でどう撮るのか、そういったことが主になると思います。
ですから私のような素人のヘタクソな写真は「絵葉書」と呼ばれる悪い見本のようなものです。