御崎馬で知られる都井岬は日南海岸特定公園として志布志湾の東端にあり宮崎県串間市に属します。
車でのアクセスは海岸線から串間市内へ向かう国道448号線から途中都井岬方面の分岐を県道に入っていきます。
西に志布志湾、南に太平洋、東に日向灘と三方を海に囲まれた都井岬は半島状になっていますが、野生馬が岬外へ出るのを
防ぐ目的で、半島付け根に柵がめぐらされており、都井岬へは県道に設けられた駒止めの門と呼ばれる入り口から入ってゆきます。
ここ駒止めの門で野生馬の保護育成と都井岬の環境維持として協力金車一台400円を支払い、県道を岬先端のほうへ向かって
車を走らせますが、いきなり入ってすぐの小松ヶ丘広場で野生馬に遭遇したときにはさすがにあまりに近いところに
馬がいるもので正直ビビッてしまいました。
恐る恐る近づいてシャッターを切りましたが、野生馬は悠然として人など眼中に無く、淡々と草を食べていたのが印象的でした。
通常夏場は道から上がっていった牧草地帯や急斜面の草原地帯にいるそうですが、冬場は風が強く寒いためか、
道沿いや林の中に入っていくことが多いそうです。この日もほんの2時間ほどの滞在でしたが、その間に道沿いで何度も
野生馬が悠然と歩いてゆく様子をカメラに収めることが出来ました。この御崎馬と呼ばれている野生馬は、一時50頭前後まで
減少していた時期があったそうですが、現在では保護活動の成果もあって、110頭〜120頭くらいまで数が増えてきているそうです。
入り口でもらったパンフレットによれば、御崎馬の由来は約2000年も前に中国大陸からやってきた蒙古馬が起源とされ、
農耕や軍馬として活躍した歴史を持っていたそうです。現在の都井岬の御崎馬は江戸時代の高鍋藩・秋月家が1697年に作った藩営牧場のうち、
都井村御崎牧が現在の御崎牧場の前身で、牧場といっても江戸時代からほとんど交配による種の改良もされず、約300年前から自然のままの放し飼いと言った飼い方が
続けられて半野性化した姿で今日に至っていることから、木曽馬や道産子と並んで日本在来種の馬とされているようです。
それが評価されて、都井岬と御崎馬は1953年(昭和28年)11月14日には「自然における日本に特有の家畜」として国の天然記念物に指定されています。
御崎馬の特徴としては野性馬に見られるハーレムと呼ばれる種雄馬と雌馬・子馬からなる一夫多妻型の家族集団を形成して生活しています。
また日本在来馬に見られる、外来種のサラブレッドなどに比較して短い足、大きなくさび型の頭、首が水平になっていることなど、
また急斜面に沿って草地が展開する都井岬の地形に合わせた、急斜面に縞模様の馬道を作って草を食べるといった特徴が上げられます。
面積約560haもある都井岬では唯一の出入り口となる駒止めの門で出入り規制がされているのですが(規制しているのは人の出入りではなく、名前の通り御崎馬の出入りの監視と規制)、
午前8時から午後5時頃までは監視員がいますが、それ以外の時間帯は
一応入り口のメインゲート側は締め切られてしまいます。これは御崎馬が他所へ移動するのを防ぐ目的があるためです。但し、駒止めの門には、上記時間帯以外の出入りについては
夜間は右へ、看板に開けたら閉めてくださいと書かれてあり、それ以外の時間帯でも自分で扉を開け閉めして自由に出入りは出来るようです。
さて、都井岬には御崎馬以外にも、標高255mに立つ都井岬灯台や、天然記念物のソテツの群落がある御崎神社等の見どころがあるのですが、
到着したのが日が傾き始める午後3時頃で、宿泊は熊本まで走る強行軍の予定でしたのでゆっくりする時間も無かったため、今回は野性馬と灯台のみの撮影となってしまいました。
都井岬の壁紙写真
都井岬は天然記念物の野生馬・岬馬(御崎馬)が生息することで知られる宮崎県最南端の岬です。