寝覚ノ床と寝覚めの橋の伝説について
こうやって見ると対岸へ渡る橋が一つくらい架けられていても
よさそうなほど、木曽川のこの部分ってすごく細くなっているわけですが、
橋が架けられる予定がないのはこんな伝説があるからです。
昔村人たちが相談してここへ橋を架ける話が持ち上がり、
実際に橋を架け終わっていざ渡ろうとしたときに問題が起こりました。
不思議なことに村人が橋を渡ろうとすると、それまで渦巻くように流れていた
激しい木曽川の流れが一瞬にして静まり返って川面が鏡のようになり、
世にも恐ろしい形相の牛の顔が浮かび上がってきて、
それを見た村人たちは誰一人としてその橋を渡ることが出来なかったのだそうです。
その伝説があるためにか、現在でも橋を架けようとする話は全く出ないのだとか。
でも後に国の史跡名勝天然記念物になるほどの貴重なものですから、
自然の造詣を大事にしろ、触るなという警告を込めた言い伝えなのかもしれません。
それとも当時に状況で言えば危険なほどの激しい流れだから
橋を架けようと思うなという警告の意味かもしれません。