弥陀ヶ原は立山黒部アルペンルートの途中、標高1600m〜2100m付近にかけて
ある高層湿原地帯のことを指しています。弥陀ヶ原は約10万年前からの立山の火山活動によって
大量の火砕流が流れ出し、それが周囲を埋め尽くして出来た南北約2km、東西約4km、面積約8平方キロメートルに及ぶ火山性の高原台地です。
また標高が高く、日本海側の気候の影響を受ける立山に位置する弥陀ヶ原では、
冬には大量の降雪があり、火砕流で出来た台地が氷河期の氷河に削られたり、
夏には融雪によって大量の水が台地を削ったり堆積物を残したりしながら非常に長い年月をかけて
現在のような高層湿原地帯を作っていったと考えられているようです。
またここが高層湿原となっているのも、山岳特有の夏の融雪期間が短い気候と冬の豪雪が影響しているのは間違いないと思われます。
弥陀ヶ原では餓鬼田(ガキの田)と呼ばれる高層湿原に特徴的な池塘(ちとう)も見ることが出来ます。
室堂の紅葉散策をした後、弥陀ヶ原までアルペンルートの車道沿いに歩いてみることにしました。
今回は室堂からバスに乗らず、天狗平(標高2300m)・ソーメン滝展望台(標高2270m)・鏡石(標高2230m)・
立山有料道路・美松坂(標高2030m)から弥陀ヶ原ホテル前(標高1930m)までを散策してきました。
通常ですと、高原バスであっという間に走りすぎてしまう区間で、あまりじっくりと歩く機会もなかったため、
この辺りの車道沿いに見える風景を写真に収めてみようと思って歩きました。
弥陀ヶ原に至るこの区間は10月上旬〜中旬頃の紅葉ピークには赤や黄色、緑色に染まる山肌の紅葉が非常に美しく、
じっくり歩くと様々な景色を見せてくれます。
ハイライトはやはりソーメン滝付近の急峻な山岳風景と、至るところに見える錦を織り成したような紅葉美です。
参考までに行程にかかる時間ですが、室堂バスターミナルを12時に出発して少し寄り道もしましたが、
車道沿いに歩きながら風景を撮影しつつゆっくり下って天狗平12時11分、ソーメン滝12時30分、
鏡石12時48分、美松坂14時15分、弥陀ヶ原着14時40分でした。歩くだけなら2時間もあれば弥陀ヶ原に到着できると思います。
弥陀ヶ原の錦絵のような紅葉風景
まさに錦絵といった表現がピッタリくるくらいの鮮烈な弥陀ヶ原の紅葉風景です。