香川県高松市にある栗林公園は、日本の特別名勝に指定されている
庭園の中でも最も面積が大きく、背景の紫雲山を含んだその総面積は約75ha、平地庭園部分だけでも約16.2haもあります。その中に最大の面積を誇る南湖をはじめ、北湖、
西湖、芙蓉沼(群鴨池を含む)、涵翠池(かんすいち)、潺湲池(せんかんち)の大きな6つの池を持ち、池の面積だけで約3.5ha、庭園部分の約2割を占めています。
栗林公園の名前の由来は栗の林と書く名前の通り、江戸時代には北庭付近に栗の木が非常に多く植えられていて、下屋敷の名称が
「栗林荘」と呼ばれていたことに由来します。現在ではその後の作庭の影響もあってあまり栗の木を見ることは出来ませんが。
庭園部分は大きく南庭と北庭に分かれていて、南湖を中心とした南庭は江戸時代初期の池泉回遊式の大名庭園となっており、
対して北庭は以前江戸時代は鴨場として使われていたものを明治末期から大正初期にかけて造園作庭し改修した庭園となっているそうです。
栗林公園の歴史は戦国時代の元亀・天正年間(1572年〜1593年)頃に香川の豪族であった佐藤氏の手によって、紫雲山の麓、現在の栗林公園の西南の小普陀と呼ばれるあたりに
築庭を始めたのが最初だそうです。その後江戸時代に入って1625年頃から、讃岐領主となった生駒高俊がそれに引き続いて南湖一帯の造園にあたり、
1642年頃からは高松藩主として赴任した、水戸光圀の兄にあたる松平頼重によって造園事業が引き継がれ、さらにその後松平氏5代約100年に渡って
造園が繰り返されて江戸時代中期の1745年にようやく現在あるような栗林公園の形が出来上がったそうです。
以後明治維新に至るまで松平家の下屋敷として松平氏の管理下に置かれていましたが、
明治維新後の廃藩置県で高松藩が廃止されたため明治政府の管理下に入り、1875年(明治8年)3月16日から県立公園として一般公開されています。
また昭和に入って昭和28年3月31日に文化財保護法により国の特別名勝に指定されています。
さて、今回桜の時期の栗林公園を訪れました。園内全体では主にソメイヨシノとエドヒガン桜が約350本ほど植えられている桜の名所とも聞いていましたが、
面積が広大なためか園内全体が桜に包まれているかというとそうでもなく、
要所要所に桜の木が植えられていて、メインとなる庭園の風景に彩を添えているといった趣です。
桜の本数が最も多いのは観光客や桜見物客でごった返している讃岐民芸館の前の広場付近で、桜の木も多いですが花見客も非常に多いです。
また栗林公園には香川県の桜の標本木とされている桜の木があり、高松地方気象台によって開花と満開が観測されています。
栗林公園はまた営業時間が少し変わっていて、年中無休の上、日の出から日没まで営業されています。入園料金は400円、駐車場代は25分100円掛かります。
栗林公園 桜の壁紙写真
香川県の特別名勝・桜の時期の栗林公園の壁紙写真です。