鹿の天敵、ニホンオオカミが1905年を最後に絶滅した理由は、
やはり環境の変化が一番の原因で、もっと突き詰めると人間が一番の原因となりそうです。
農耕民族である日本人はかつてニホンオオカミを「大神」とあがめていた時代もあったそうです。
農作物を食い荒らすシカやイノシシの天敵として、農家からはむしろ歓迎されていたようです。
ところがその後文明が発達し、ニホンオオカミの食べ物であるシカなど野生の草食動物が減少し、
またニホンオオカミ自身も住処を追われてゆき、
また以前はニホンオオカミは人を襲わなかったそうですが、
食べ物となる野生の動物が減ってくると食糧難となり、人間も襲われるようになりました。
また狂犬病にかかったニホンオオカミによって人が襲われる事件が江戸時代に頻発し、
それがニホンオオカミに対して人間が駆除を始めるきっかけになっていったとも言われているそうです。
その後ニホンオオカミは頭数を急速に減らし続け、1905年にここ奈良県の山中で見つかった一頭を最後にいまだ発見されず、
絶滅してしまったようです。