長野県の木曽郡にある寝覚ノ床は
木曽川の両岸に奇岩が連なっていることで知られている景勝地です。
1923年(大正12年)3月7日に内務省により国の史跡名勝天然記念物に指定されています。中央アルプス県立公園の一角となっており、
木曽川の両岸の花崗岩を長い年月を掛けて木曽川の流れが削ってできているものです。
もともとこの辺りは標高680mくらいあるところで木曽川の上流部に当たり、かなりの激流だったため、
このように花崗岩が削られていったわけですが、木曽川に1968年に木曽ダムが完成したため、
削られていた花崗岩が表面に現れたのが現在の寝覚ノ床です。花崗岩の方状節理やあちらこちらに見られる
激流によって小さい石が花崗岩を削ってできた甌穴(ポットホール)等は地質学上の代表的場所とされています。
流れの向かって右手森の中には浦島堂というお堂が建てられており、浦島太郎のその後を語る伝説も残されています。
浦島太郎が竜宮城から帰ってきた後、方々を旅してここの美しい風景を見て住処を決め、
竜宮城での美しい風景を思い出し、遂に玉手箱を開けてしまいました。そうするとたちまち白髪の翁になってしまった
ことから、夢から覚めた浦島太郎、すなわち寝覚めとなり、
またここの岩がまるで寝床を敷いたような形となっていることから
寝覚ノ床と呼ばれるようになって現在の地名の名前の由来となったのだそうです。
また浦島堂はこのときに浦島太郎が残していた弁財天の像を祀ったものだそうです。