霧ヶ峰高原の冬の早朝の壁紙写真です。
霧ヶ峰高原は主峰車山(1925m)を中心とした標高1500m〜1900mくらいのところに展開しているなだらかな高原地帯です。
この霧ヶ峰のなだらかな地形はもともと140万年位前の車山の噴火によって流れ出た溶岩が固まって出来たものと推定されています。
霧ヶ峰高原は車山を主峰として富士火山帯に属しており、日本では珍しいアスピーテ(楯状)火山だそうです。
富士山に代表される成層火山が主流の日本にあっては非常に珍しい噴火の仕方だそうです。
このアスピーテ火山の特徴は玄武岩質の溶岩で粘り気が無く、広範囲に緩やかに流れ下ることで、その流れ下った溶岩が
広範囲にわたってなだらかな地形を作り出し、その上に御嶽山の火山灰層が積もって現在の霧ヶ峰高原を形作っています。
また霧ヶ峰高原には1960年に国の天然記念物に指定されている八島ヶ原湿原などの高層湿原もあり、
日本では尾瀬湿原と並んで大変貴重な高層湿原となっています。
八島ヶ原の高層湿原は約1万年前くらいから形成されていったもので、
高層湿原の南限とされていて、最初は湖沼であったものが徐々に土砂の流入などで埋まってゆき、
そこに植物が生え、沼地化し、低層湿原が誕生し、寒冷な気候から植物が腐敗せずに泥炭層になり、
その上に植物が生え、徐々に積み重なって高層湿原となっていったものです。
また見渡す限り広い草原とも言える霧ヶ峰高原ですが、古来から萱などの採取地としての役割があり、
樹木が生い茂って原生林となっていた時期もあったようですが、
江戸時代頃から野焼きが頻繁に行われるようになり、現在まで草原としての姿をとどめているのだそうです。
意外に人工的に手を加えられた草原だったというわけですね。
また霧ヶ峰といえば日本のグライダー発祥の地としても有名で、
1933年(昭和8年)7月30日に最初のフライトが行われたとか。
これも霧ヶ峰特有の上昇気流があるためです。またこの上昇気流と濃霧にも関係があるようです。
霧ヶ峰の名前の由来は霧が非常に多いところという意味です。夏場はかなりの日数で霧が発生するとか。
その理由は南に位置する諏訪湖にあり、諏訪湖から上昇気流に乗って運ばれた湿った空気が霧ヶ峰付近で
温度差によって冷やされて凝結し、それが霧や雲となって視界をさえぎるわけです。
ちょうど標高的にも温度差で冷やされて水分が凝固しやすいこともあると思われます。
真冬にはマイナス20度以下にもなるといわれる霧ヶ峰高原の気候ですが、
夏でも平均気温は15度〜20度くらい、最高気温でも25度程度と非常に冷涼な気候です。
私が行った1月初旬でも最低気温はマイナス12度くらいありました。
結構強烈に冷え込んだ早朝の霧ヶ峰高原には凍える台地に霧氷が見られました。
また早朝に富士見台付近から見る日の出では、富士山とともにオレンジ色の朝焼けの光が差し込み、
ものすごく美しいところでした。
早朝富士山が見渡せる富士見台付近から朝焼けに輝く霧ヶ峰高原と周囲の山々、霧氷などを撮影しました。