山口県岩国市の錦川に掛かっている錦帯橋は山梨県の猿橋、徳島県の祖谷のかずら橋と並んで日本三奇橋のひとつに数えられている橋で、美しい五連の橋となっていて、中央部分の三連がアーチ形状となっているのが特徴的な橋です。また東京日本橋・長崎眼鏡橋と並んで日本三名橋の一つとしても数えられています。1922年3月に国指定名勝になっています。川幅の大きい錦川に掛けられている橋の長さは約210mほどあります。もともとは岩国藩があった江戸時代に、山上にある岩国城と城下町である対岸を結ぶ橋を建設する必要に迫られていて、岩国藩初代藩主の吉川広家が1608年に山上に岩国城を築き、当時も橋が掛けられてはいたものの錦川が洪水の度に流されてしまっていました。その後第3代藩主となった吉川広嘉が当時の明から帰化した僧の進言で中国・当時の明の杭州・西湖に掛かる六連のアーチ橋をモデルにすることを決意して1673年に完成したのが錦帯橋の最初です。ポイントとしてはアーチ形状の橋の方が洪水の時に橋脚が丈夫に作り易く流されにくいこと、またアーチ形状となっているために橋が直接川の流れに押し流されず抵抗とならないことなどが上げられると思います。当時としては画期的な技術だったでしょうし、暴れ川の錦川ということとその錦川を天然の要害として築城しなければならなかった岩国藩の事情が重なってこの奇橋・錦帯橋が完成したと言えると思います。その後も何度か流されたり補修を繰り返していて、現存している橋は2004年に架け替えられたものです。翌年台風の影響で一部が損壊しましたが翌2006年補修が行われています。
錦帯橋 桜
錦帯橋周辺は桜の名所となっていて、お花見シーズンには多くの観光客で賑わいます。