長崎県松浦市福島町にある土谷(どや)の棚田といえばカメラマンや写真愛好家にとっては大変有名な撮影スポットとして知られているところです。もちろん日本の棚田100選にも選ばれています。ここは日本海に夕日が沈む風景と棚田の風景が同時に撮影できるスポットとして知られています。土谷の棚田がある福島自体は伊万里湾に浮かんでいる島で、東西約6km、南北約7.3kmの島となっています。車で福島大橋を渡ってしまうと陸続きのように錯覚しますが島です。またここは急傾斜地を利用した棚田の多いところでもあります。急激に海岸線へと降りてゆく傾斜と、その傾斜を利用しつつ海岸近くまで広がっている棚田を特徴としており、ちょうど夕日が落ちる海に面していることから夕景スポットでもあります。地理的には佐賀県の伊万里市に近く、松浦市とは海を隔てている関係にあります。陸続きで行くには一度佐賀県に入って伊万里市から福島大橋を渡って再び長崎県松浦市に入ってゆかなければなりません。玄界灘に向かってほぼ真西に向いている海岸線にあり、田植えの始まる4月20日前後から5月中旬ごろにかけては水を張った水田に沈む夕日や赤く染まる棚田を撮影しに全国からカメラマンが集まってきます。沖に浮かんでいる飛島と小飛島がちょうどアクセントになって美しい風景を構成しています。棚田の数は約400くらいあるそうです。またここの棚田は地元の人々が努力されているおかげか、耕作放棄されている棚田はほとんど見当たらず、かなりきちんと水を張って整備されています。観光用ということももちろんあるのでしょうが、それでもこれだけの棚田の維持管理は大変だろうと思います。本当に見事なものです。
土谷棚田の夕日と風景
田植え頃の土谷棚田に落ちる夕日の風景です。