しらびそ高原から約13.4km ぐらい南アルプスエコーラインと呼ばれている山道を走っていくと、遠山郷・下栗の里と言われているところに到着します。ここは日本のチロルとも言われていて、オーストリアとイタリアに跨っているチロル地方の雰囲気を漂わせていると言うことでこのような愛称が付けられているようです。このあたりの標高はだいたい800m ぐらいから1000m 付近にあって、最大傾斜38度とも言われている急傾斜地に畑と人家が点在しているという大変珍しい風景を見ることができます。ちょうどスキー場のように山の急斜面を切り開いて、そこに蛇のように蛇行している道路と、その道路に沿って人家と畑が点在しています。水利の関係から稲は作られていないようですが、それでも畑ではいろいろな作物を作られているようです。また以前は、この下栗の里の全風景を見ることができませんでしたが、平成21年10月5日に地元の人々の手によって遊歩道が完成しています。今回はその遊歩道から撮影した下栗の里と言うことになります。このあたりはまさに日本の秘境という雰囲気を漂わせているところです。写真を撮影した天空の里ビューポイントと言われてるところは、しらびそ高原から約13.4km 走ったところにある「はんば亭」のところの駐車場に車を止めて、そこから約1km ぐらい歩いたところにあります。時間にして約20分ぐらいかかります。はんば亭の駐車場が GPS で計測すると標高1081m 、天空の里ビューポイントが1132m になっていましたので、約50m ぐらい登っていくことになります。と言っても最初ははんば亭から天空の里ビューポイントの遊歩道入口まで200m くらいしらびそ高原の方に向かって歩くことになります。そしてヘアピンカーブを曲がったすぐ右手に遊歩道入口がありますので、そこからさらに先に進んでいくことになります。遊歩道入口からは、約15分くらい山の中を歩くと言うことになります。最初は少し上り坂になっています。しかし途中からは、大体平坦な道になっていきます。ただ、30度から40度近い急斜面を地元の人達の手で切り開いている道になっていますので、かなり狭い場所もありますし、大体人1人から2人が歩けるぐらいのスペースしかありません。他の人とすれ違う場合、譲り合って待避する必要もあります。また、崖とまではいきませんが、それでもそれに近いような傾斜を持っている斜面があります。要所要所は柵がしてあったり、ロープが張ってありますが、それでも足を滑らせると結構危険な場所もありますので、十分に注意が必要になります。また注意書きにも書いてありますが、山の中ですので、当然タバコを吸ったり火気は厳禁になります。道を歩き始めると意外と長いように感じます。距離にしてだいたい800m ということですが、平坦な道を普通に歩いているのとは違って、歩きにくい道を歩いていくわけですから、それなりに時間もかかります。まだかなと思いながら歩いていくと、突然目の前に視界が開けて、素晴らしい風景が楽しめると言うことになります。下栗の里の人家までは大体直線距離にして500mくらい離れていると思いますが、近くの山々の中でそこだけ人家や畑が見られるという特異な風景に思わず見入ってしまいます。それでもそれにしてもこれだけの道を切り開くというだけでも大変だと思いますが、こういう風景を誰でも見れるようにしてくださっている、地元の人々に感謝しなければならないなと思います。
天空の里ビューポイントからの風景
日本のチロルと言われている下栗の里の天空の里ビューポイントからの風景です。