仙巌園入り口より左手にあるのがこの尚古集成館の建物です。
幕末に島津藩主斉彬が近代化を進める過程で築きあげた工場群である集成館の跡地で、
国の指定文化財でもあります。反射炉や溶鉱炉、機械工場、動力用水路などなどの史跡が点在します。
現存する尚古集成館の建物はこのうちの機械工場跡を利用したものです。
明治政府の推し進めた富国強兵・殖産興業政策はこの尚古集成館にある工場群がその発端といっても
過言ではないでしょう。西欧列強から日本を守るためには何よりも近代化を推し進める必要性を
誰よりもわかっていたのが当時の島津藩主・斉彬であったに違いありません。
その後斉彬の死と薩英戦争での破壊がありましたが久光の代で復興させ、
薩摩藩を日本でも最も進んだ近代化を成し遂げた藩へと変貌させてゆくこととなります。