仙巌園庭園から見られる千尋巌と言われる一枚岩です。
望獄楼付近から見上げると、山肌に大きくむき出しになった絶壁の岩に、
千尋巌と彫られている大岩があるのに気付かれると思います。
この千尋巌、文字の大きさが何と約11mもあり、27代当主の島津斉興が
1814年に完成させたものなのだそうです。制作期間は約3カ月、
延べ人員約3900人を投入したというから、結構大工事だったはずです。
しかしそこまでしてなぜこういう彫り物をする必要があったのでしょうか?
これもこの仙巌園庭園の作庭意図の一つなのだそうです。
でもこの大岩に文字を彫るということをどうやってやったのでしょうか?
現在でもここまでの岩に彫り物をしようと思えば鉄骨の足場を組んで
かなりの難工事になりそうに思いますが、当時の人々は、鉄骨さえなかった時代ですから、
足場を組むのに磯山の杉の木や竹を使って足場を組んでいたのだそうです。
それにしてもすごいことをやってのけてくれますね。
またこのような庭園様式は中国文化の影響を受けたものだとされているようです。