国宝西明寺本堂と紅葉。
西明寺の本堂は入母屋造・檜皮葺の建造物で、三重塔同様に釘を一本も使わない純和風建築とされ、
鎌倉時代の1274年頃に完成したとされているようです。
織田信長の戦火を免れて、修理はされたものの現在にまで当時の鎌倉時代の建造物の特徴を伝えているものとして、
1897年(明治30年)12月28日に明治時代の1897年に出来た「古社寺保存法」による国宝指定第一号を受けたようです。
西明寺のパンフレットにも堂々と国宝第一号と書いてあるのですが、ただ話は少々ややこしく、
現在の文化財保護法施行以前のものでは現在で言う重要文化財も国宝と呼ばれているものがあり、
また現在では国宝指定番号は指定順ではなくて順番はあまり意味を成さないものらしく、
昭和に入って1951年に出来た「文化財保護法」による国宝指定だとランダムな順番でこれと言った順序付けではないようです。
ちなみに現在の文化財保護法による国宝指定第一号は部門別に8件もあり、
建造物での国宝指定第一号は中尊寺金色堂ということになっているようです。
そして西明寺本堂は国宝指定第83号、お隣の三重塔が第84号ということになるようです。
ただこれも以前より国宝として数多くの文化財が認知されていて、ほとんど同時に国宝に指定されているため、
便宜上だけのものであまり意味を成さない番号だということが言えそうです。
そういう意味では明治時代に日本で初めて国宝という呼び方が登場し、「古社寺保存法」が施行されて初めて国宝が指定された1897年(明治30年)12月28日に
国宝に指定されたということはそれだけ国宝に値する建造物ということが早くから認知されていたという意味では、
国宝第一号ということを名乗るだけの価値があるとも言えそうです。