京都嵯峨野の小倉山の麓にある名庭園・大河内山荘の紅葉の壁紙写真です。大河内山荘は大正・昭和の時代を生き抜いた
時代劇の名俳優であり「丹下左膳」で有名な銀幕の大スターであった大河内傳次郎(1898年2月5日−1962年7月18日)が、
34歳のとき(1931年・昭和6年)から64歳で逝去するまでの
約30年間にわたって自分の銀幕で稼いだお金をつぎ込んで作り上げた、京都・洛西を代表する名庭園
として、国指定文化財となっています。
その大河内傳次郎の名を冠した大河内山荘の庭園は約2万平方メートルの広さを誇り、
嵐山や保津峡・遠くは比叡山の山並みを遠景にした借景回遊式庭園となっています。
また庭園内には赤松をはじめ、桜やもみじ、銀杏といった木々が彩りを添え、
特に桜や紅葉の時期には素晴らしい景観を作り出します。
大河内傳次郎はまた藤原定家が小倉百人一首を選定したこの小倉山の麓に、
当時の技術では長期保存が難しいといわれていた映画のフィルムに変わって
いつまでも消えることのない自分の理想世界としての庭園を後世に残そうと思ったのかもしれません。
晩年の大河内傳次郎はここで美しい庭園風景を眺めながら仏教書を読み、読経をして過ごしたそうです。
また銀幕スターが作庭した庭園らしく、映画のように場面場面で切り替えられているように次々と違った風景が登場するのも大河内山荘の特徴です。
山荘手前の竹林からプロローグが始まり、竹林を抜けて入り口を入ると薄暗い森の中の小径を通り、一気に目の前に最初の庭園が開けます。
また山門をくぐったら今度は大乗閣の庭園が目の前に登場するといった具合です。
大河内山荘手前には、
嵐山花灯路で美しい風景を見せる
嵯峨野の竹林の小径があり、
まさに嵯峨野の奥座敷といった雰囲気がピッタリです。
近くには同じく京都屈指の紅葉の名所でもある
常寂光寺などもあり、
嵯峨野に足を踏み入れたら一度訪れたいところでもあります。
ただし入場料は
永観堂などと並んで、抹茶と菓子と絵葉書が付いていますが京都では最も高い1000円掛かります。
また付近には駐車場が全くありませんので、
嵐山か
天龍寺あたりの駐車場に止めて歩くか、
二尊院前の少しのスペースに止める余地があれば置くか
しないと車でのアクセスでは非常に行きにくいところです。嵯峨野をゆっくり歩いて散策するときに立ち寄るのがいいかと思います。
大河内山荘入り口で入場料を払って中へ入ると、茶店のある庭園に出ます。
そこから少し小径を上がり一段高くなっている山門(中門)をくぐると、
寝殿造、書院造、数寄屋造などを取り入れたメインの建物となる大乗閣のある山荘の庭園が出てきます。
紅葉の時期、入場料を払って大河内山荘へ入った時に入り口でもらえる絵葉書は、
大乗閣の奥の銀杏の木の奥あたりから撮影されたものだと思います。
ただ私が行った午後からだと逆光となってくるため、
絵葉書にあるような写真を狙うのであれば午前中早い時間帯がベストだと思います。
ここからさらに紅葉のトンネルをくぐり小径を上がってゆくと、持仏堂の建物があり、この上あたりからは
嵐山や保津峡の眺めが見られます。またそこからすぐのところに
茶室・滴水庵が見える見所スポットのひとつの庭園部分があります。
庭園内で最も標高の高い月香亭付近から東を見ると、借景比叡山の山々と、京都市内が一望できる絶景スポットです。
美しい紅葉の大河内山荘
大河内山荘の拝観料は1000円とやや高めになりますが、とても見応えのある紅葉と見張らしの良い風景がなかなか見所のあるところです。