音戸の瀬戸ツツジ
広島県呉市にある音戸の瀬戸公園は4月下旬から5月上旬にかけて満開になっているツツジの花が大変綺麗なところとして有名になっています。真っ赤なとても印象的な音戸大橋を背景にしながら、手前には綺麗に刈り込まれている丸いツツジの群落が見られます。咲いているツツジの花は平戸ツツジの系統と思われますが、赤や白やピンクのものがあったり、満開になっている時にはとても綺麗に音戸大橋の辺りを彩っています。ツツジの数は全部で約8,300本ぐらい植えられているそうです。音戸の瀬戸と言えば、 NHK の大河ドラマにもなっている平清盛が、夕日を招き返して1日で開削したと言われている伝説が残されています。音戸大橋は、本州の呉市側と倉橋島を結んでいる橋です。地形的に見てみると、ここだけが非常に狭くなっていて、平清盛は貿易をする際に、ここを開削する事によって、倉橋島を遠回りしなくても呉港に瀬戸内海からすぐに入れるように開削したのだろうと思われます。ここを開削した平清盛は、瀬戸内海の海賊を追討しようとして、瀬戸内海と非常に深い関わりを持つようになってきます。それに加えて、今から約860年くらい前の1146年に清盛が安芸守に任命されて、厳島神社の建て直しを行ったり、瀬戸内の参拝航路として音戸の瀬戸の開削を同時に行ったのではないかと思われています。伝説では1日で開削されたように言われているようですが、実際のところは、音戸の瀬戸開削は1164年に開始されて翌1165年に完成するまで延べ6万人の人夫を使って、約10ヶ月くらいかかっているようです。そして最後の時にこれで完成すると言う前に太陽が沈みそうになったので、それを招き返したと言うのが伝説になっているようです。この平清盛の伝説はこの場所ではなく、少し離れたところにある高烏台という高台の上から行ったそうで、高烏台には1967年(昭和42年)に清盛像が建てられています。また今現在では1日に約550隻くらいの船が行き交う海上交通の要所となっています。
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