愛知県豊田市足助町にある香嵐渓(こうらんけい)は愛知県屈指の紅葉の名所の一つとしてその名を知られています。
足助川の支流にあたる巴川に広がっているもみじを主体とした紅葉が大変美しいことで有名で、愛知県内だけではなく
近隣府県や遠方からも観光客が訪れる紅葉の名所です。香嵐渓内にある1427年開山の飯盛山香積寺の11世の住職であった参栄本秀和尚が
修行中の紅葉の名所京都にて見たもみじの美しさに心を奪われてもみじの苗を持ち帰って植えたのが始まりとも言われています。
香嵐渓のもみじの元祖は京都だったというわけですね。そんな住職さんが飯盛山を京都の嵐山に見立てて
般若心経を一巻唱えるごとに一本のモミジの木を植えていったことから現在のようなもみじの参道が出来上がったのだそうです。
道理で一見見た感じでは京都高雄の清滝川沿いや嵯峨鳥居本付近の風景やイメージになんとなく似ている感じがしました。
さらに大正から昭和にかけては地元若者たちの呼びかけや多数地元の人達の協力もあって現在のような紅葉の名所と呼ばれるまでになりました。
香嵐渓の名前の由来は1930年(昭和5年)に大阪毎日新聞社社長の本山彦一という人に、当時の香積寺住職や町長が命名を求め、その際に「飯盛山からの薫風は、香積寺参道の青楓を透して巴川を渡り、香ぐわしいまでの山気を運んでくる。山気とは、すなわち嵐気也」と言われたことをもとに、香しい嵐気という意味から香嵐渓と名付けられたものだそうです。
香嵐渓 紅葉
香嵐渓で有名なのは入り口付近の朱塗りの待月橋と紅葉を絡めた風景ですが、実際に最も美しいのは巴川沿いの紅葉美と
実は香積寺周辺の紅葉ではないかなと思います。このあたりの風情は京都の社寺を彷彿とさせてくれます。