秋吉台カルスト台地は日本最大のカルスト地形として有名です。
秋吉台ではドリーネと呼ばれるカルスト地形特有の窪地があちらこちらで見ることが出来ます。
秋吉台にあるカルスト台地は石灰岩で出来た台地が長年の雨に溶かされて
出来たもので、面積は約130キロ平方メートルにもなる日本最大のカルスト地形です。
カルスト地形とは石灰岩で出来た大地が雨水などの浸食を受けて出来た地形のことです。
この炭酸カルシウムで出来た石灰岩の台地は雨水などの浸食により他の岩石などに比べると
非常に水に溶けやすく、雨水が集まって溶けたところが窪地になり、そこから水はさらに下へ落ち込んでゆきます。
有名な秋芳洞などの鍾乳洞も溶けた雨水が地下に入ってゆき、
そこからさらに内部を溶かして鍾乳洞などの洞窟を作り出していったものです。
鍾乳洞内部が白いのは溶けた炭酸カルシウム成分が見えるためです。
また当然水は地下へ地下へと流れ込んでゆくため、地表付近にはあまり溜まりません。
そのためカルスト台地では保湿性が非常に悪いことが多く、樹木が育ちにくくなり、
見晴らしのいい草原の状態になっていることが多いようです。
秋吉台のカルスト台地は元々は海底にあったものが約2億5千万年前頃に地殻変動により隆起して出来たものだといわれています。
海底にあった当時は珊瑚礁が形成されていて、それもかなり積み重なった厚みのある珊瑚礁となっていたようです。
地殻変動によって隆起した珊瑚礁は当然死に絶え、時間をかけて化石化して石灰岩となり、
そこに雨が降ることでまた徐々に侵食され、厚みのある石灰岩層ではカルスト地形や鍾乳洞などが
出来ていったと考えられているようです。
見渡す限り草原で、ところどころ墓石のように石が並んでいるというイメージのある秋吉台ですが、
1955年に秋吉台国定公園に指定され、
草原地帯と景観を維持するために毎年2月には大規模に山焼きが行われているそうです。