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善峯寺奥之院 出世薬師の伝説

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出世薬師の伝説についてですが、
稲荷神社へ向かう鳥居の手前には、
善峯寺奥之院 出世薬師と刻まれている石柱が立っています。
奥之院には薬師堂があり、薬師如来が安置されているのですが、
そのことをこの石柱の文字は指しているのだと思います。
さて、ではなぜ出世薬師なのでしょうか?
玉の輿に乗るという言葉があります。
これは現在では貧乏な女性がお金持ちに嫁ぐという意味合いで使われる言葉ですが、
実はこの玉の輿に乗るという言葉の発祥はここ善峯寺にあったようです。
子宝に恵まれなかった江戸時代にある貧しい八百屋がこの薬師如来に
子宝が授かりますようにというお願いをして生まれてきたのがお玉という女性です。
この娘がやがて縁あって江戸大奥へと奉公に出ることとなり、
ここで彼女の美貌にほれ込んだ第三代将軍家光の寵愛を受けたお玉は
やがて家光の妻となり、将軍家光の子を身ごもることになります。
この生まれてきた子が第五代将軍の綱吉となり、
お玉は将軍の母として大奥で最高の地位を得ます。
貧しい八百屋の娘のお玉の出世物語です。
お玉が身分の高い「輿」に乗るまでに出世した。
ここから玉の輿の言葉が生まれ、善峯寺の薬師如来に願掛けして
生まれた子供が出世したことから出世薬師の伝説が生まれました。
この玉の輿の乗ったお玉こそ、桂昌院その人なのです。
なぜ桂昌院が善峯寺の再興に尽力したのか、この話からも分かります。

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