金星の太陽面通過(日面通過)と呼ばれている現象は、太陽と地球の間に金星が入っていくことによって、太陽面を金星が黒い点のようになって移動していくという現象です。少し前にあった日食という現象は、太陽と月と地球が一直線に並ぶことによって、起きてくる現象ですが、月は地球の周りをすぐ近いところを回っているので、見かけ上の大きさが太陽とほぼ同じぐらいかなり大きく見えるために太陽を隠してしまう或いはほとんど隠れてしまうぐらい影が大きくなりますが、金星の場合は、かなり地球がら離れているために、見かけ上の大きさが小さくなってしまうために、日食という形ではなく、日面通過という形で見えると言うことになります。前回5月21日には金環日食や部分日食が日本全国で観察する事ができましたが、今回6月6日の金星の太陽面通過も大変貴重な天体ショーと言うことが言えるでしょう。金星の太陽面通過は起きるパターンが決まっていて、8年ごとに2回起きた後は、121.5年と105.5年の間見ることができないと言う天体現象になっています。2012年6月6日の前は、2004年6月8日に起きていますが、それ以前と言うことになると1882年まで遡らなければなりません。また次に起きるのは、105.5年後の2117年12月11日になっています。おそらくこの頃には、延命技術が進歩していない限りは、今生きている人は、ほとんどの人が見ることができないと思います。今回の撮影においては、前の部分日食の撮影に使用した太陽フィルタを使って撮影する事にしました。朝のうちは晴れていたのですが、だんだんと雲が増えてきて、途中からたまに雲の切れ間から太陽が顔を出す程度になってしまいました。そのため全ての過程を観察すると言うことは出来ませんでしたが、それでも大変貴重な瞬間を撮影出来て、良かったと思います。