兵庫県加古川市にある永昌寺（永昌禅寺）のドウダンツツジはだいたい11月の下旬ぐらいから見頃を迎えます。永昌禅寺は兵庫県加古川市にある臨済宗妙心寺派のお寺になります。16世紀初頭の室町時代の永正年間（1504年〜1520年）に、三木の別所氏によって創建されたとされている非常に歴史のあるお寺です。その後、戦国時代に入って豊臣秀吉が播磨別所攻め三木合戦（1578年〜1580年）で三木城を攻略した時に、そのあおりで一時廃墟になったという歴史も持っているようです。普段は一般公開されているわけではありませんが、ドウダンツツジが見頃を迎える時期だけご住職の好意で一般公開されています。11月の中旬から末頃にかけて、例年だいたい11月15日から11月30日の午前9時から午後4時まで拝観ができるようです。山号は金城山永昌禅寺となっています。永昌禅寺の本堂には薬師如来が、ご本尊としてお祀りされています。またその本堂には、薬水石といって、薬師如来の薬水が入っていると言われているものがあります。これで体の悪いところを擦ると治るという言い伝えがあるようです。またこの辺りは市街地になっているにもかかわらず、古墳や駐車場のすぐのところに南北町時代1343年と記されていたとされている、永昌寺阿弥陀三尊石棺仏があったり、平安時代後期と言われている地蔵菩薩立像があったり、大変に歴史のある遺跡がいろいろと残されているようです。永昌禅寺のドウダンツツジは中原住職が約25年前くらいにドウダンツツジを500本ぐらい庭園の奥に植えたのが最初だそうです。10年前ぐらいから一般公開を始めていらっしゃるそうですが、特に拝観料を徴収されているわけではありませんので、拝観時間内は誰でも自由に入って拝観することができます。永昌禅寺の入口に車が10台程度止められる無料の駐車場というよりも、砂地の駐車スペースがあります。そこに車を止めて中に入っていきました。地元ではそこそこ知られたところですが、あまり有名なスポットとはいえないところですので、それほど人が多く来ているわけではありません。午前9時ぐらいの時間帯だと、車は2、3台といった程度で、どちらかというと、地元の人たちだけが拝観に訪れているという感じです。加古川市は人口もそこそこ多いのですが、市街地中心部から少し離れているこの周辺は比較的静かな住宅地となっていて、永昌寺の隣には永昌寺保育園があります。そのためか、本堂隣の日本庭園の鑑賞ができるところでは、同時に永昌寺保育園の園児の作品や地元の人々の作品も文化展として展示されて見ることができます。兵庫県というと、ドウダンツツジでは何といっても
豊岡市にある安国寺が有名ですが、観光客でいっぱいになる安国寺とはまた違って、非常に静かにドウダンツツジを鑑賞することができます。安国寺のドウダンツツジの見頃は大体11月15日から20日ぐらいになっていることが多いですが、こちらはそれよりもピークは少し遅く、11月20日前後から11月末頃がまでが見頃ピークと言えるのではないかと思います。日本海側の豊岡市と瀬戸内側の加古川市の気温の差も影響しているのではないかと思います。今回は11月23日に行きましたが、まさに真っ盛りという感じで、素晴らしいドウダンツツジの紅葉を楽しむことができました。ただ、車の場合、土日祝日といったようなときは、駐車スペースが非常に狭いため、なくなってしまう可能性が十分にありますので、できれば、公共交通機関を使用して来られた方が良いと思います。最寄り駅はJR加古川線の神野駅からだいたい徒歩で10分前後です。
永昌寺（永昌禅寺）のドウダンツツジ
真っ赤に色付いているドウダンツツジは日本庭園に見事な彩りを添えています。
