3月はじめのまだ雪が降っている賀名生梅林です。
賀名生梅林の咲きかけの梅にうっすら雪化粧がとてもきれいでした。
賀名生梅林は奈良県西吉野村にある梅林で、標高250m〜400m付近の北曽木の山に展開している梅林です。
かなりの急斜面に展開しているため、なかなか歩くには骨が折れます。
一目1万本とも言われる賀名生梅林ですが、山全体の総本数は2万本ほどあるのだそうです。
1877年ごろから植えられている梅の木は徐々にその本数を増やし続け、現在では白梅紅梅合わせて
2万本という規模で奈良県三大梅林のひとつに数えられています。
はじめは梅の実の採取目的から白梅だけだったものが徐々に紅梅まで植えられるようになっていったそうです。
また賀名生梅林は月ヶ瀬梅渓、広橋梅林と並んで奈良県の三大梅林のひとつに数えられています。
賀名生梅林(あのうばいりん)の名前の由来はこのあたりの昔の地名「穴生(あなふ)」に由来します
その後、南朝の後村上天皇によって「叶名生(かなふ)」と命名され、それがまた後に現在の賀名生に変化したそうです。
当時は南北朝時代の真っ只中にあり、後醍醐天皇の後継の後村上天皇は、
楠木正行が四条畷の戦いに敗れたためここ賀名生の地に逃れてこられたそうです。
当時名づけられた叶名生(かなふ)の名は願いがかなうことを願ってのことかもしれません。
その後政略があって、北朝側の足利尊氏が一時的に南朝に帰依した際、後村上天皇が「賀名生」とする勅命を出されたそうです。
当時の呼び方は「かなふ」でしたが、明治時代に入って「あのう」になったそうです。
そんな歴史を持つ賀名生梅林ですが、梅の見頃はだいたい3月中旬〜下旬頃です。
3月はじめに行ったときにはまだこのあたりには名残の雪が舞い、
咲き始めた梅にうっすら雪が残って雪化粧をしていました。