5月頃に咲く薄紫のちょっと高貴な感じのする花が藤の花です。藤原氏の藤の名がつくためか、平安貴族的な高貴な花という印象があるきれいな薄紫の色合いをしています。また藤原氏ゆかりの春日大社などでは当時に藤原氏直系親族の近衛氏によって献上され植えられたという藤の花が今なお砂ずりの藤として残されています。また当時から春日大社の社紋に藤の花をあしらっていることからも大切にされていた様子が伺えます。しかし藤の花は普通にちょっとした山に入れば見ることができるマメ科の植物です。特別な花でも決して無いのですが、日本の場合は通常はノダフジを藤と言う場合が大半です。山にはただ単に房状に垂れ下がっているのを見るだけですが、観賞用としては通常は藤棚という形にして、藤の木の蔓が藤棚に巻きつくようにして手入れをしてゆきます。千年藤と呼ばれるくらい、樹齢も結構古いものもあります。5月の見頃時期を迎えると、藤棚から無数に垂れ下がっている房が長いものだと地面すれすれにまで垂れ下がって藤の花のトンネルを作り出し、非常に見ごたえのある圧巻の風景をつくりだしてくれます。
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